「聞く力」を再生するために

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リンクより

ドイツ系ビジネスソフトメーカーのSAPで商品管理を担当するエラ・モーグリスさんは、スピーキングやプレゼンテーションの研修を何年も受けてきたが、「注意深いリスニング」の研修を昨年受講した。この研修を主宰している同社の責任者ペーター・ボステルマン氏によると、参加者は2人組になって席に着き、順番に3分間ずつ互いの話を聞いた。その際、パートナーの発する言葉、ボディーランゲージ、感情に集中し、話を遮ったり、話に反応したりしないようにした。その後、パートナーに自分が聞いたことを話した。この研修はグーグルのエンジニア、チャディー・メン・タン氏の2012年の著書「サーチ!富と幸福を高める自己探索メソッド」に基づいている。

モーグリスさんは、そこで学んだのは、話し手に同意できない場合であっても反応せず、「物事を受け入れて、より冷静な状態になる」ことだったと話す。また、会合や会話を始める前に、他の参加者に関してポジティブなことを考えることも学んだという。彼女は研修後、同僚がより近い存在に感じ、「わざわざ自分のプロジェクトを手伝ってくれている」ことに気付き始めたという。

聞く力の改善は、チームがよりスムーズに動くのを助ける可能性がある。SAPのアン・ハーディー副社長のチームの20人は、国籍が14カ国にまたがっており、互いの話を聞いてもらうことが難しいときがあるという。今年1月、3日間のチームミーティングの前にこの研修を受けさせたところ、チームの聞く力が改善した。このほか、「他人の気持ちに気を配ったり、誰かに反応する前に冷静になろうとしたりするようになった」という。

前出のダナヒュー氏は、重要な会話の前には、言いたいことや聞きたいことのリストを作成すると良いと話す。これにより、「次に何を言うかについて考えるという脳の負担が軽減する」という。

コミュニケーションスキル・コーチのバーバラ・ミラー氏は、会話する前に、頭の中にある情報を紙に書き出すことを勧める。聞くことに対して注意散漫になるかもしれないような自分の考えを全て書き出し、紙を脇に置いておいて後になって取り出すのだ。同氏はまた、会話中に問題を明確化するための質問をすることも勧める。例えば、「私に今、何をしてもらいたいのでしょうか」といった質問だ。

ダナヒュー氏は、メモを取ったりアイコンタクトを取ったりすると、気がそぞろになるのを防ぐ効果があると話す。また、話す時間と聞く時間の比率の目標を設定することも役立つ場合があるという。話す時間が25%、聞く時間が75%といった具合だ。

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加藤俊治