昔は良かった?何不自由ない生活をしていると忘れてしまった生活力、今こそ思い起こそう。


東海アマブログ
リンクより引用

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 テレ朝の「何これ珍百景」のなかで、広島県の山中で、野性的な生活を送る大家族の姿が何回か放映された。

 電気は来てるがテレビはなく、幼い子供たちが自分で薪を割って調理し、五右衛門風呂も薪炊きだった。

 日本に、ガスや石油のエネルギーが供給されるようになったのは、東京都心部では大正時代と早かったが、地方都市では、1960年前後まで普及しなかった。私の子供時代も、1950年代は、風呂は薪炊き、調理は石油コンロだった。

 この時代の凄まじい生活変革の嵐のなかで、電気冷蔵庫によって氷屋さんは乾物屋さんとともに消えていった。八百屋さんも、スーパーマーケットに代わりつつあった。

 だが、まだコンビニもホームセンターもない時代で、人々は、基本的にライフスタイルを自分で設計し、製作しなければならなかった。

 街には小さな金物屋があったが、十分な資材も工具もなく、各人の創意工夫が腕の見せ所だったのだ。

 1960年代は、「何でも自分でやらねばならない時代」と形容してもよい。もちろん、それは明治時代から連綿と続く文化のなかにあったのだが、ライフスタイルの爆発的変化のなかで、とりわけ激しい社会の変化について行くには、大きな創造力が要求されたのだ。

 だから、オリンピックの行われた1960年代というのは、もの凄い時代だった。
 
 人々は、たくさんの情報の前に、創意工夫にあふれ、世界トップクラスのイノベーションを生み出し続けた。

 まず、戦後日本最高の時代だったといえるだろう。

 しかし、これをもたらした要因を考えたなら、私は、戦争という巨大災厄に打ちひしがれ、15~20年の無我夢中の模索のなかで、やっと戦後文化が結実を始めたこと。

 「あの惨禍を二度と経験したくない……だから平和で、人間性を謳歌する文化を作りたい」という強烈なモチベーションが背景としてあったように思う。それは、60年代後半から登場してきた、バエズやPPM、岡林や高石のフォークソングのなかにも現れている。

 この時代の、凄まじいイノベーションをもたらしたものは、私には、戦後日本社会の「不足」だったように思える。

 環境を破壊する大企業の金儲け一辺倒の姿勢に怒った市民運動が大きな力を発揮するようになり、水俣や昭和電工、古河鉱業などの公害闘争も、人々に
 「どんな社会を作らねばならないのか?」
 大きな教育的効果をもたらした。

 我々は、今から60年前に起きた巨大な社会変革の意味を原理的に捉えておく必要がある。それが、安倍晋三一味によって、無茶苦茶に壊された日本社会を再建するために本当に必要なものを教えてくれる。
 安倍自民党のもたらした歴史的災厄を十分に研究し、子供たちの「持続可能な未来」のために生かさねばならないのだ。

 安倍を追放して、消費税を廃止したなら、たちまち景気は劇的に回復し、もの凄い商業の拡大が見込まれるのだが、それが新たな公害=廃棄物の激増による環境破壊を生まないか? 新たな景気のなかで、人々が60年代のような素晴らしいイノベーションを構築できるのか?
 を考えておく必要がありそうだ。

 上に説明したように、60年代のイノベーションは、社会全体の「不足」と合理的生活への飢餓が前提にあったように思える。
 しかし、今の子供たち、若者たちは、「不足」を感じていないし、合理的生活も安全なライフスタイルも強く求めているようには思われない。

 広島の坂本家にような野性的なライフスタイルを送っている家庭も、極めて希であって、子供たちが生活のなかで新しい合理性を追求してゆく環境にいるとも思えない。
ことこそ「持続可能な未来」を約束するものだと、何度も書いてきた。

 子供は大自然のなかで、全力で肉体を解放するような野生を獲得させることが、今後の人生にとって、社会にとって、一番大切であると確信している。
 坂本家の子供たちは、素晴らしい大人になるだろう。
 どんな巨大な災厄が来ても、自分たちの力で克服してゆける人間に育つだろう。

 都会の学校は、過疎の廃校を利用して、年に数ヶ月の共同体生活を経験させるべきであり、自分で耕して種を蒔き、収穫して調理する技術と自信を教育することこそ、真実の教育であると確信している。

 私は、小学生のとき、学校で習った縫製知識が、未だに役立っていて、自分で衣類の補修や改造を行っている。ミシンも使っている。
 こんな大切な知識より、IT社会の奴隷としてのプログラミング知識の方が上だとは思えないのだ。プログラムが、大震災後の混乱のなかで、どれほど役立つというのか?

 子供たちを社会の奴隷に育てるな! 大自然のなかで主人公に育てよ!
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橋本正雄