人の役に立ちたい、みんなが喜ぶ顔を見たい!本当に必要とされている場所に行って貢献したい!と海外発展途上国の開発事業に飛びつく気持ちも分かりますが、それは理想を掲げているだけで、「じゃあ目の前の人は?」と問うと、「それとこれとは別」となるパターンが良くあります。
理想を掲げて、枠を作っていけばいくほど、乖離して苦しくなってくるこの世の中。
どう資本主義社会や社会課題を捉えていくか、その上でどう「実行」していくかを各人が考えていく必要がある。もう考えるよりもまずは身近な人の幸せを増やすための行動をし始めた方が良いかもしれない。

資本主義の中で解決できないものが「社会課題」
“理想と現実の乖離”を埋める仕組みづくり
リンク

―――――以下、リンクより引用――――――

■ 社会的事業には、政治や行政とのつながりが必要
町井恵理氏(以下、町井):では、藤沢さんお願いします。

藤沢烈氏(以下、藤沢):(中略)…
さっき社会起業家の3つの役割として、「社会化・事業化・制度化」と言ったんですけれども、まず社会化の段階で、そもそも情報自体がなかなかないと。なので、行政と連携しないと情報自体が取れない。今はほとんど社会問題が見えなくなっていますから、見えない問題を明らかにするには行政のアクセスがどうしても必要だと、復興庁に入ってとても感じました。

そして制度化のところですね。どれだけ事業をやっても、社会的事業の収益性は低いです。私は釜石市でやっていて、1つの地域でそこそこはできるんですけど、それを拡大するって非常に難しい。

そういう中で行政の力を借りることは、どうしても必要だと感じました。事業化も大事なんですけど、社会の問題をどこにあるのかを発見し、それを制度にしていくことを考えると、行政のやり方はどうしても知っていかなきゃいけないと感じています。

…(中略)…

■ 社会の「理想と現状」の乖離をどう近づけていくか

安部敏樹氏(以下、安部):社会課題とは何か、という話からありますよね。もっと言うと社会と課題があって、課題は理想と現状の乖離です。それに対して「社会って何?」という議論から、本当は丁寧にしていかなきゃいけないですよね。

社会は、辞書を引くと地縁コミュニティーのようなものが出てくるんですよね。つまり昔は、地理的制約をベースにしていたと。山があって川があって海があって、その間にある三角形は、遺伝子情報もほぼ一緒だし、使ってる貨幣も一緒だし、これ以上細かく定義しなくていいっしょ、と。それがなんとなく社会と言われていたわけですよね。

それって、通信・交通が発達すると、そうならなくなってくる。その時代における新しい社会を再定義する必要がありますよ、というのがまず1個あると。さっき言った村づくりのような話も、けっこうそういうところに近いと思っていて。

あとはやっぱり今ある社会問題って、多くは……全部じゃないです。多くは、いわゆる外部不経済によって行われるものですよね。資本主義の中で解決できないから問題が残ってますよ、というときに、考え方が2つあると思っています。1つはその課題をなんとかビジネスベースに乗せるための工夫をしていくのが社会起業家であると。

もう1個は、いやもっとラジカルにいこうぜと。つまり「資本主義そのものの仕組みを変えていきましょう」と。なぜ今の仕組みの中で、社会的な課題のインセンティブ設計ができてないんですか、というのが根本的な問題ではあるんです。そこまでやっていきましょう、という話もあるかなと思うんですよね。

■ 社会課題を貨幣化した「排出権取引」
阿部:ちなみに後者の事例などで、今うまくいってるかどうかは(別として)、僕がすごいなと思ったのは排出権取引ですね。あれは結局、何十年か見ている中でも、グローバルで社会課題を貨幣化してインセンティブ設計した事例ですよね。

…(中略)…

■ 身近な人を幸せにすることから生まれる豊かさ
小尾勝吉氏(以下、小尾):…(中略)…生きている間に資本主義がなくなるかどうかというと、なくならないと思うんですよね。共存していくものが必要で、僕はやっぱり「本当の豊かさって何だっけ」「本当の幸せって何だっけ」というのを、もう一度引き直す作業が社会起業家みたいなところなのかなと。きれいなところで言うと、そう思っています。

スケールだけのパラダイムで行くならば、海外に出ていったほうがいいわけですよね。それがセオリーですよね。そうじゃなくて日本でやるところの価値って、やっぱりそういうところなのかなとすごく思っております。

もう物も余っていますし、コトの時代や体験の時代と言われている中で、その組織の中に属する構成員、働く仲間たちの生きがいづくりが、価値として本当に大事なんじゃないかなと思います。

先ほどのセッションの中でも、ハーバード大学の研究の結果、身近な人との人間関係の質が豊かさを決めるという話があったじゃないですか。まさにその通りだなと思っています。だから、本当にそこを追求していった結果、内村鑑三さんの後世に残す最大の遺物の中にあるような、ああいう人たちのような生きざまを残すと。結果を残すことが大事なのかなと思います。

彼らはたぶん、ああいう勇気ある生き方を残そうと思って生きてたわけじゃないと思うしね。そう思った瞬間に利己になるので、違うのかなと思いますし、身近な人から幸せにするんだという、その輪が広がっていくイメージなのかなとすごく思います。

…(後略)
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以上



どうなる資本主義