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■辞める若手の属性が変化している
若手が3年で3割辞める(大企業なら1割未満)、という事実が昔から変わらないとして、それが問題になりはじめたのはなぜでしょう?

理由はとても簡単です。

昔は、「不満を持った人」が3年で辞めることが多かったのです。

入社してみたものの、どうも会社にあわない。学生気分が抜けないということもあるでしょうし、社会人としての生活になじめないという人もいました。またそもそもやりたい仕事ではなかった、ということに気づいた場合もあります。そんな人が辞める場合には、会社もそれほど残念に思いませんでした。むしろ「こらえ性の無い若手が辞めてくれてラッキーだった」と公言することすらありました。

辞める人も会社の評判サイトに悪口を書き連ねたりしていましたので、それらのサイトを見ればおおよその社内事情も見えてきます。だから間違って入社してしまうことも減るでしょう。

優秀な人が去る会社の評判は決して悪くないが…
しかし近年目立つのは「期待されている人」が辞めることです。

例えばインフラ企業に入社し将来の役員候補と目されていた優秀な若手が入社1年で辞めた例があります。大手メーカーで入社時点から研究開発テーマを与えられていた有望な研究者が入社後半年で辞めてしまった例もあります。

そんな彼らは、辞めるときに不満を言いません。むしろとても良い会社に参画させてもらった、と感謝を口にしながら辞めてゆきます。会社の評判サイトにももちろん「良いこと」ばかりを書いています。

皆さんの周りでも、期待されているのにあえて転職していく友人や知人がたまにいるのではないでしょうか。

さて、ではこのような会社は良い会社だと考えてよいのでしょうか。

人事部門から制度と運用の実情を確認していくと、必ずしも「良いこと」ばかりではない事情が見えてくることがあります。

任されるよりも尊敬できる相手が欲しい
B君は大手メーカーで期待され、多額の予算も用意された研究者でした。

けれども彼は転職するときに本音を語ってくれました。

「尊敬できる研究者と働きたかったんです。このメーカーならそんな人がいると思っていました。実際に優れた特許を取っている人も何人かいましたから」

だったらその人たちと一緒に働ける状況が良かったのでは、と尋ねたら彼は首をふりました。
「100人近くもいる研究者の中で、尊敬できる人はほんの数人だけでした。後の人たちはむしろ、自分たちの研究成果を理解しない経営層の愚痴を言ったり、安定的な給与にあぐらをかいて怠けていたりするような人たちに見えました。本当はそうじゃないかもしれませんが、僕にはそう見えました。そして、この組織に居続けると、僕もそうなってしまいそうでとても怖くなったんです」

彼もやはり、自分が最初に入った会社についてはとても良い会社だったと断言しました。 ただ、自分には合わなかっただけだと。

良い会社なのに、優秀な人が辞めてしまう。そんなギャップが生まれる理由の一つに、活躍したい方向性の相違があります。

会社の人事は、会社の目指す方向性にあわせて設計されます。けれどもその方向性が自分自身にあったものなのか、あらためて確認してみてはいかがでしょう。




大崎